ロンドンよりも東京に向けて。米国留学前のサニブラウンは堅実だった (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura hiroyuki/PICSPORT

 それでも本人は、「そんなに心配はしていないですね。アメリカの3戦に比べると今回や上海(5月13日・ダイヤモンドリーグ、10秒19で4位)では、だいぶ体のキレも戻ってきたのかなと感じているので。それに次の布施スプリントまでは2週間あって入念に準備ができるし、これまでは1本だけのレースでしたが次は2本あるので、それでだいぶ状態も変わってくると思う」と、仕上がりの順調さを口にする。

 そんなケンブリッジ以上にマイペースを意識していたのが、同じく今季の日本初戦となったサニブラウン・アブデル・ハキームだ。今年秋からのフロリダ大学入学を前に、現在はオランダを拠点にして練習している。4月14日にはアメリカで100mを10秒18、200mを20秒41のタイムで走り、5月13日のダイヤモンドリーグ上海では中盤までトップ争いに加わって10秒22で5位になっている。

「スタートでしっかり前に出て、そこで出たスピードをキープしてから上げていく予定でしたが、今回はブロックの中で(ブロックに足をつけたままで)スタートの音を聞いてしまったので、それがよくなかったのかなと思います」

 こう言うように、川崎でのリアクションタイムは8選手中6番目。後半も持ち味である伸びやかな走りができず、10秒42で4位だった。だが「今季は世界選手権の参加標準記録(10秒12)を切るくらいのタイムを出せればと思っていますが、あんまり数字にはこだわって走っていないので」と表情は穏やか。

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