2017.04.25

高機能が売りのランニングシューズは、
どのようにつくられているのか

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

 その結果、欧米人と比べて日本人の足は側幅=ボトムが広いことが判明。”幅広”はある程度正しかったことになる。同時に、欧米人は足の人差し指が長く、中央がシュッと尖っているが、日本人は足の指がどれも短く横並びで、爪先はあまり尖っていない。一方で、日本人が特に甲高ということはなく、踵(かかと)の大きさも欧米人と大差ないこともわかった。

爪先部の大きな巻き上げと強力な反発性を持つミッドソール素材が推進力を生む 走り方については、大きなストライドで跳ねるように走る欧米人に対して、日本人は小股でチョコチョコと走るのが特徴だった。そのため、欧米人は踵から着地するが、日本人は中足(足の真ん中あたり)の外側、もっと極端な場合、前足(足の前のほう)で着地する。

 このような日本人の足型・走り方のデータに合わせて、HANZOは従来品より側幅を広くし、踵を4~5ミリ薄くする設計が行なわれた。日本人の走り方では踵が厚いと着地した際に引っかかり、ブレーキがかかったような状態になる。踵部分を薄くすることで、走るときに踵を地面に着けず、中央から前の部分で着地できるようになる。

 また、日本人の”チョコチョコ走り”で着地した状態からの足抜けのよさを出すために、爪先部分の”巻き上げ”も強くした。従来のレーシングシューズと比べ、巻き上げが大きく、地面を蹴った後、次のフォワード・モーションに進みやすいように設計された。