2013.06.06

【やり投げ】打倒ディーン。絶好調・村上幸史は日本のエースに返り咲けるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Nakamura Hiroyuki

2013年の織田記念大会で好記録を残した村上幸史 昨年の織田記念大会では、自己記録を一気に5m08も伸ばす84m28を投げ、ロンドン五輪でも決勝に進出するなど、2012年に躍進したディーン元気(早大)。一方、09年の世界選手権で銅メダルを獲得した実績を持ち、自己記録を83m95まで伸ばしたベテランの村上幸史(スズキ浜松AC)。男子やり投げ界を牽引する両輪が7日から始まる日本陸上選手権大会で対決する。

 昨年の世界ランキングではディーンが13位で村上が16位と、世界へ肉薄する勢いを見せていたふたりだが、さらなる飛躍を期待された今シーズン、ここまでの結果は明と暗に分かれている。

 今季初戦だった4月7日の東京六大学対抗で80m15を投げて順調な滑り出しをしたかに見えたディーンは、2試合目以降を80m台に乗せられず苦しんだ。

 その後の織田記念とゴールデングランプリは76m台に止まり、5月19日の関東インカレで優勝はしたものの、77m98と記録はいまひとつ。やり投げは、昨年10月からの記録が8月の世界選手権出場の対象になるため、五輪で出した記録は反映されない。結果、参加標準記録(83m50)を突破しないまま、今回の日本選手権に臨むということになってしまった。

 調子が上がってこない中、ディーンは関東インカレの試合後にこう語った。

「織田記念とゴールデングランプリは良くなかったが、今日の練習投てきでは、今年はまだ感じていなかった良さが戻ってきていたし、3投目から修正できたのも自分がどう投げればやりが飛ぶかを把握できていたということ。今日は風に恵まれなかった」

 今季は投げる瞬間に左足がしっかりブロックできず、流れてしまうようなフィニッシュになっている。「今はまだ左足が地面に付く前に上半身が動いてしまっていて、地面からもらう力をやりに伝えられていない状態。だから今回は途中から前にダイブするのを止めて、しっかり地面の力を感じるようにした」と修正を試みている。納得の投てきができていないとはいえ、その辺りがうまく合えば、B標準の81mだけではなく、A標準の83m50は楽に投げられるはずという自信をのぞかせる。