世界最速の17歳・桐生祥秀「目標は100m9秒台」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Oriyama Toshimi

――大瀬戸選手は1学年上ですが、早く追いつきたいですか?

「昨年4月29日の織田記念で大瀬戸さんが100mで10秒23を出した時は、僕のベストがまだ10秒58だったので、まだ負けてもしょうがないかなと思ったけど、シーズンが始まったら僕も10秒27を出せた。5月下旬の高校総体市内ブロック大会で、予選から10秒4台、10秒3台、10秒2台と自己新を連発したんです。それから勝ちたいと思うようになりました」

――2月の合宿での江里口選手たちとの練習を見ても、練習への対応や修正は早いように見えます。

「慣れればいけるんですが、慣れるまでが何カ月もかかる方ですね。チームの中でも細かい動作の修正とか新しいトレーニングをすると言われたら、自分だけ最後まで出来なくて、出来るようになるまで1カ月や2カ月はかかるんです。その代わり、一度できるようになったら忘れずにやっていけます」

――今季はどういう目標を持っていますか。

「目標はインターハイの100mと200m、4継で勝つことですが、記録に関してはいつも、最初の試合でどのくらい出たかで考えます。でも、去年以上は出せるという感覚もあります。冬の練習でもストライドは伸びているから、エコパの時のようにリラックス出来ればいけるかなと」

――今年はシニアの選手とも一緒に走ります。

「楽しみにしています。一緒に走って勝つか負けるかわからないけど、もし負けたとしても周囲の反応は気にせず、自分がダメだった所を見つけて修正していきたいです。でも上を見れば10秒0台の人もたくさんいて、そのレベルに比べれば自分はまだまだだから、どんな大会へ出てもリラックスしていけると思います。とにかく、攻めていきたいですね。タイムはまだ上がると思っているので」

――記録の目標は。

「最終的には9秒台です。その前にも記録をドンドン破っていって、100mと200mで京都府だけではなく、近畿記録も日本記録も、自分の名前に書き換えていきたい。楽しいと思って走れると、いつもベストが出ていたので、深く考えずに楽しく走りたいです」

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