【箱根駅伝】思い切って前半勝負に出た優勝候補・駒大の狙いは? (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Wataru Ninomiya/PHOTO KISIMOTO

「1区がうまく流れれば、2区は出岐(青学大)や設楽啓太(東洋大)、ベンジャミン(日大)あたりとの勝負になって面白いでしょうね。そこでうまく乗っていけば、次の3区が本当の勝負になってくる。そこで飛び出したところが、流れを引き寄せられると思います。4区は短いからその勢いに乗っていける」(大八木監督)

 実力のある選手が横一線で並ぶようになれば、2区ではそれほどの差がつかない可能性もある。だがエースの窪田は、11月の全日本でも最初の5㎞を14分16秒で入ったように駅伝の走り方を熟知している。少しでもアドバンテージをもらって走り出せれば、他校のエースが相手でもその差を広げる走りができるはずだ。

 そしてそれを受け継ぐ3区には、当初は「復路のキーポイントになる区間に置きたい」としていた中村匠吾(2年)を起用と、これも思い切った作戦できた。


「中村が練習で走れるようになったから、4年生や3年生も『ウカウカしていたら出られなくなる』という気持ちになって、全体の調子も上がってきた」(大八木監督)というようにチームの勢いを付けた選手で、今後は窪田に次ぐチームの柱になれると期待する存在。彼を3区に置くことで、超前半型にして一気に突っ走ろうという心づもりだ。

 さらに4区は経験をさせるために1年生の其田健也を使い、課題の5区には前回は1年生ながら2区に抜擢した村山謙太(2年)を使う。これも意表を突いた起用となった。この作戦が当たれば駒大に勢いがつくのは間違いない。

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