パラバドミントン里見紗李奈が初出場V。鈴木亜弥子は銀で強さを見せた (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text by Araki Miharu

今大会の悔しさを糧に、東京パラ出場を目指す鈴木亜弥子今大会の悔しさを糧に、東京パラ出場を目指す鈴木亜弥子 強みはショットの正確性と駆け引き力。現在はS/Jリーグ(国内リーグ)1部に所属する七十七銀行バドミントン部に所属。比較的障がいの軽いクラスのため、健常の選手とともに練習に励み、プレーに磨きをかける。復帰時、体力はピーク時の半分ほどに落ちていたが、現在は「7割ほど」まで回復。

 中国の選手は普段、エントリーする大会が少ないが、今年はパラリンピックのポイントレースの中心で存在感を増す。楊も3月のトルコ、4月のドバイ、そして今回の世界選手権と3大会に出場し、いずれも鈴木を下して優勝する勝負強さを発揮している。

「おそらく女子SU5クラスでは、楊さんは私にしか負けたことがなくて、私も楊さんにしか負けていない」と話すように、2人の力は頭抜けている。そしてこの"ライバルの存在"が、それぞれの競技人生に力を与えていることがよくわかる。楊が鈴木を「リスペクトしている」と言い切れば、鈴木もまた「楊選手のおかげで私も上を目指せる。彼女がいてくれて、私はうれしい」と明かす。

 楊との試合の通算成績は、これで鈴木の2勝5敗。昨年のアジアパラ競技大会から4連敗中だが、粛々と自分のすべきことをやるのみ、とブレない。今年の3月のトルコ国際から今回の世界選手権まで、所属先の草井篤監督がパラバドミントン日本代表の立位コーチとして帯同しており、「草井さんから客観的なアドバイスをもらえるし、意見交換ができている。勝つための具体的な練習メニューが組めるので、焦りはない」と鈴木。

 東京2020パラリンピックの出場権は、今年3月のトルコ国際から来年3月のスペイン国際までの1年間の対象大会で獲得するポイントランキングで決まる。ダブルスのポイントが優先されることから、昨年9月から女子ダブルスにも出場している。今大会、鈴木はパートナーの下肢障がいSL3の伊藤則子(中日新聞社)と銅メダルを獲得した。この勢いをキープし、さらなる高みを目指していく。


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