2019.09.01

パラバドミントン里見紗李奈が初出場V。
鈴木亜弥子は銀で強さを見せた

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text by Araki Miharu

 2年に一度のパラバドミントンの世界選手権が8月20日から25日まで、スイス・バーゼルで開催された。東京2020パラリンピック出場に必要な獲得ポイントが通常の2倍になる重要な大会だった。日本代表は男女合わせて26名が出場し、女子シングルスで車いすWH1の里見紗李奈(NTT都市開発)が優勝、上肢障がいSU5の鈴木亜弥子(七十七銀行)が準優勝を果たした。このほか日本勢は9種目で銅メダルを獲得した。

シングルスでは危なげない戦いをして優勝した里見紗李奈「まさか勝てるとは思っていなかった。うれしいです、本当にうれしいです」(里見)

 世界選手権初出場で頂点に立ち、里見は「信じられない」と目を丸くした。その言葉とは裏腹に、里見の安定したプレーは存在感を放っていた。グループリーグ3戦を全勝で勝ち上がり、決勝トーナメント1回戦で福家育美(ダイハツ工業)との日本人対決を制すると、準々決勝で前回大会銀メダルのジン・ツァン(中国)を、準決勝で世界ランキング2位のカリン ・スーター エラス(スイス)を撃破。

 そして決勝の相手は、元世界ランキング1位のスジラット・ポッカム(タイ)。里見が「憧れの選手」と話す、冷静な試合運びと精度の高いショットが持ち味のベテランだ。里見は国際大会デビュー戦の昨年のタイ国際と、続くアジアパラ競技大会でポッカムと対戦しているが、いずれもストレートで敗れている。それから1年の間に里見が経験を積み、世界ランクはポッカムが4位、里見が5位と肉薄するところまで成長。今回、粘る相手に苦しみながらも、初めて白星を手にすることができた。

 もともと緊張しやすく、これまでプレーでは弱気になったところを突かれることもあった里見。この決勝では第2ゲーム中盤まで1点を争う気の抜けない攻防が続いたが、「逆転されても、自分が攻めずに点を取られたわけではないから大丈夫」と、試合展開を読む冷静さを見せた。