東京パラ、そして別次元へ。パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの (5ページ目)

  • 大地功一●取材・文・写真 text&photo by Oochi Koichi

 2009年トラック世界選手権では1000mタイムトライアル優勝(LC3)、3km個人追い抜き2位(LC3)と好功績を残したが、2010年に行なわれたクラス分け変更以降、ライバルのレベルが上がり、表彰台から遠のいていた。そんなときにトップの自転車選手からの叱咤があったからこそ、ロンドンでのメダル獲得、そしてリオまでの継続というように、より高いレベルに自分を押し上げることができたという。

 藤田には"自転車選手"としてブレない目標がある。

「どれだけ速くなれるか、強くなれるか」

 出場するレース全てにおいてどうすれば勝てるか、常に追求する藤田の視線はパラリンピック選手の枠を超えた別次元にも向いている。

「さらに上のレースにも挑戦していきたい。オリンピックは難しいけど、全日本選手権や国体も視野に入れていきたい」

 藤田が言う全日本選手権、国体は健常者の大会である。健常者のレースでも野望を持って臨んでいるという。

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