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カーリング日本選手権、フォルティウスを4年ぶりの日本一に導いた吉村紗也香の「凄み」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 その後、北海道銀行が8エンドにスチール、最終10エンドにも2点を追加して同点。食い下がる若手チームを相手に、フォルティウスの持ち時間は1分を切ってしまったが、「時間は把握していましたし、2点(取られるの)はOKだと思っていた」と吉村は冷静だった。エキストラエンドに突入しても、吉村はシンプルショットを次々と指示し、それをチームメイトたちが淡々と遂行し勝ちきった。

 また、優勝後の取材対応で吉村は「やれることはすべてやってきた」と、今季ここまでを振り返った。氷上では、アリーナアイスの情報共有やコーナー戦への意識を高めてきたが、「やれること」はそれだけにとどまらない。

 大会中は良質な睡眠や食事を摂るために、ホテルではなくキッチン付きの宿泊施設を利用。小野寺の母、セカンド小谷優奈の母、フィフス小林未奈の母らも駆けつけて、毎食エネルギー豊富で消化のいいメニューを作った。

 コーチボックスには、カーリング界の"KING"ことニクラス・エディンと、船山弓枝コーチが並び、白井一幸メンタルコーチも横浜に集結。総力戦で4年ぶりの日本一を勝ち取った。

 チームは、3月15日に開幕する世界選手権(韓国・議政府)に日本代表として出場する。「一つひとつ高みを目指して積み重ねたら、メダルも圏内かなと思う」と小野寺が言えば、近江谷も「自分たちは、世界のトップ(クラス)に入っている自信がある」と力強く語る。

 その戦いは、ミラノ・コルティナ五輪へと続くのか。注目したい。

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