カーリング女子日本代表決定戦。相性と仕上がりのよさでロコ・ソラーレが有利か (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by(C)どうぎんカーリングクラシック2021

 それに対して、「ピンチの場面が多かった。それを、どう避けるか、乗り切るのか。しっかりチームで話したい」と吉村が振り返ったように、北海道銀行は新たな課題を残してしまったようだ。

2月の日本選手権を制した北海道銀行フォルティウス2月の日本選手権を制した北海道銀行フォルティウスこの記事に関連する写真を見る 北海道銀行は、吉村をスキップに据えてから4シーズン目を迎えるが、その間のロコ・ソラーレとの対戦成績は、国内大会での試合に限っても2勝9敗と分が悪い。この夏の仕上がりを含めて、代表決定戦に向けては「ロコ・ソラーレ有利」という見方が大勢を占めている。

 しかし、北海道銀行の2勝のうち、ひとつは最後の対戦となった、2月の日本選手権決勝という"大舞台"だった。この結果は、北海道銀行にプラスに働く可能性がある。

 北海道銀行がそのいいイメージを持ったままゲームに入り、リードを奪うことができれば、ロコ・ソラーレが課題としている「負けている時の戦い方、追いかける展開のメンタリティ」を突くことができるかもしれない。そうすれば、互角以上の展開に持ち込めるだろう。

 逆に言えば、ロコ・ソラーレが多少のズレやミスに動じず、ポジションごとの仕事をいつもどおりに遂行できれば、確実に勝利を手繰り寄せることになる。

 いずれにしても、初戦の第一エンドでどちらが先手を取るか。それが、大きなカギになってくる。どこで、どちらが仕掛けるか、序盤から目が離せない。

 ただ、今回の勝者はあくまでも日本代表となるにすぎない。北京五輪出場のためには、12月に開催される世界最終予選(場所未定)で出場切符を獲得する大仕事が待っている。

 どちらのチームが勝つにせよ、世界最終予選、さらには五輪本番へとつながる好ゲームを期待したい。

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