なぜバド日本女子ダブルスは強いのか。オグシオからフクヒロ、次世代へ (5ページ目)

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • photo by AFLO

 かつては、なぜ中国から次々にハイレベルな選手が出てくるのか、と考えさせられる状況にあったが、日本の女子ダブルスは、その時と同じ状況を生み出す下地ができつつある。

 この種目は、ほかに比べて競争意識が高まるのが早かった。注目を集めるきっかけをつくった「オグシオ」ペアの小椋久美子/潮田玲子。08年北京五輪で彼女たちを上回って初めて4強入りを果たし、メダルの可能性を感じさせた末綱聡子/前田美順の「スエマエ」。その4年後、12年ロンドン五輪では藤井瑞希/垣岩令佳の「フジカキ」が決勝戦に進出して銀メダル。一歩ずつ歩みを進めて頂点への可能性を見せてくれた。

 彼女たちの姿を見て「私たちが金メダルを取る」と目標をイメージしたのが、16年リオ五輪で金メダルに輝いた高橋/松友の「タカマツ」だった。この日本の成長サイクルは、リオ後の4年間でさらに進化した。

 全英オープンでの2つの日本勢対決は、歴史ある大会のタイトルを争う意味も、東京五輪の出場権を争う意味も含まれていた。だがもう一つ、バドミントン日本女子ダブルスが過去、現在から未来へと、世界トップレベルの強さを引き継いでいく意味合いも含まれていたように思えた。

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