東京五輪トライアスロン本番の「勝負の分かれ目」が判明した! (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

「暑さ対策として、コーチのアドバイスで1カ月くらい前から練習終了後に38~40度のお風呂に40分間くらい浸かって、体温を上げない練習もしてきました。それに、暑さや高水温のアジアの大会にも出ているので、外国選手より経験を積んでいると思うし、昨年のアジア大会と比べれば(暑さは)それほどでもない感じでした。

 ただ、スイムに関しては、スタート前の体温に問題があったかなと思う。高い水温に向けての準備はもう少しなんとかできるのかなと。クーリングベストはアップが終わってから名前をコールされるまで着ていましたけど、アップの時から着ておいてもよかったかもしれない」

 もうひとつ敗因を挙げるとすれば、バイクコースが狭くコーナーが多かったことだ。

 それについて高橋は「テクニカルでコースも狭いので、人数が多くなった集団の中で、どの位置にいるかが大事になってくる」と話す。また、井出も「テクニックだけではなく、Uターンからの立ち上がりや、コース中いたるところにアップダウンがあるのでパワーも必要」と分析していた。

 バイクコースで特徴的だったのは、選手たちが先頭交代をする姿が少なかったことだ。追走集団が前の集団に追いつくためには選手たちが積極的に先頭交代をしながらスピードを上げていかなければいけないが、先頭集団と第2集団の差が周回ごとに少しずつ開いていた。それは、集団が大きくなればなるほど走りにくいコースということだ。

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