本橋麻里が休養。PACCに臨むロコ・ソラーレの新たな挑戦が始まる (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 ただ、彼女たちが目標としている"上"を額面どおりに受け取るならば、具体的にそれは、世界選手権では銀メダル以上、五輪では銅メダル以上、グランドスラムにおいては、クオリファイ以上という結果が求められる。

 それを踏まえれば、その先の"世界で勝ち切る"というのが、今季の課題になってきそうだ。

 だからといって、その点については、チームにも、各選手にも、特に焦りは見られない。2016年から2017年にかけての苦い経験があるからだ。

 2016年3月にカナダ・スウィフトカレントで開催された世界選手権で、ロコ・ソラーレは銀メダルを獲得した。日本カーリング史上初の快挙である。だがそれによって、国内外から追われる立場となり、それが遠因で、チームとしてのバランスを崩してしまったことは否めない。

 その結果、翌2016-2017シーズンは、国内のカップ戦、ワールドツアー、PACC、日本選手権と、ひとつもタイトルを得られない苦しいシーズンを過ごすことになった。

 そのシーズンの終わりに、サードの吉田知那美は「どこかで守る気持ちになっていた。何かを変えないといけないのはわかっているのだけれど、変えるのは勇気が必要で......」という話をしていた。その一方で、「このシーズンがあってよかったと思えるように、これが"助走"だと信じて、前を向いてやっていく」とも語っている。

 そうした経験があるからか、今は選手一人ひとりが目の前の結果に一喜一憂することはない。リードの吉田夕は、今季のここまでの戦いを振り返りつつ、今後の強化について、こんな決意を固めている。

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