新境地開拓。パワーを強化した髙木美帆は葛藤を楽しんでいる (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

「練習始めはできないことが結構あって、どうすれば体をうまく使えるかという葛藤もありました。それを考えることで充実したというか、楽しいと思うこともあったし、そういう意味ではやりがいを持てました。それにやっぱり試合が始まると、去年持っていた試合に対する感覚もどんどん戻ってきて、よくなっていると実感できる。だから、W杯に行って他の国の高いレベルの人たちと滑れるようになれば、もっと違う気持ちになるんじゃないかなという楽しみもあります」

 500mで2位になったことで、今季のW杯では500mの出場権も得て、挑戦できる種目は広がった。髙木は「500mにも出る予定ですが、パシュートもあって全部には出られないので、昨季のように話し合いながら、どの試合に出るか決めたいと思います。それに世界スプリントにも出てみないかと言われているけど、そこも要相談ですね。

 もう1回、昨季優勝したオールラウンドの世界選手権を取りにいくのか、世界距離別選手権の1500mを狙うのか。全部出られたらいいですけど、そこはどうなるかわからないです」と、2月上旬からの1カ月間で3大会ある世界選手権を意識する。

 パワー強化で広がった選択肢。それも彼女の新たなモチベーションになっていく。

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