小平奈緒、好記録の銀で500mの金メダルがますますハッキリ見えた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 一方、小平はスタートからカーブに入るまで距離がないアウトレーンスタート。200m通過も前組の高木美帆(日体大助手)より0秒01遅かった。

 それを小平は「アウトスタートということもあったと思いますが、(インスタートよりも)コーナーに入るまでの加速の部分で少し短いというのがあって、そこがちょっと下手なところ。でも、アウトスタートの特徴をうまく生かしたレースはできたのではないかと思います」と話す。

 200mから600mまでのラップタイムは、全体最速の28秒88まで上げたが、ラスト400mは28秒50のテルモルスや28秒74の高木に比べると遅い29秒27。中距離に強いタイプの選手に後れをとる形となってしまった。

 結城コーチは「アウトスタートだとはいっても、去年の世界スプリントの1本目の1000mは、インスタートだったテルモルスにも0秒02差で勝っているので、そういう問題ではないと思います。ただ、最初のバックストレートでもう少し前を行く相手の後ろに隠れるような形にしていれば、たぶんそこのラップが0秒2くらいは上がったと思う」と分析する。

 小平は、今回の結果をこう振り返った。

「今回はただ、実力がなかっただけだと感じています。どの競技を見ていても、五輪は強い人が強いんだなと感じていたので......。1000mに関しては正直、世界記録(2017年12月・アメリカ・ソルトレイクシティ)を出してはいたけど、『私は強いんだろうか』と、ちょっとまだ信じられない部分があった。そのあたりが結果として出てしまったという風に思いました」

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