男子と同じ練習の小平奈緒。「女子を超えた究極のスケート」で五輪へ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 男子と女子では筋力も体格も違う。カーブを曲がる時の体の角度や姿勢の低さは、まだ女子では体験できていない部分だという。そのために体脂肪を減らすことや、筋力をアップさせるという面では、自分のできる範囲で男子に近づける努力もしている。

「男子とやることでこれまで体感したことのないスピードを経験できますが、パワーや体格が違う中で一歩のストロークを合わせるには、自分で工夫を徹底的にしなければいけない。正面から見れば、男子の滑りの中に隠れてしまうくらいの小ささで、なおかつ同じストロークで滑るというのが今目指していることです」

 その中で考えたのがしなやかな滑りだ。「ただ単に力強いだけではなく、しなやかさと躍動感がある、見ていて『きれいだ』と思われるような滑りができればいい」と小平は話す。

 この公開練習の日、ふたりの男子選手とともに行なった加速からの500mではスムーズな動きが目立った。「ここで氷に力を伝えている」というのがわかりにくくなっている滑りだ。小平は「力は使っているけど、使い方が変わったからだと思います。筋肉の使い方というより、体全体を機能させる感じですね」と、今までとは違う滑りを説明する。

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