ボルダリング・ライバル物語「同い年のスター、楢崎智亜を追いかけて」 (6ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  佐野美樹●写真 photo by Sano Miki


 BWC八王子では土壇場で優勝を逃して表彰式で涙を溜めた楢崎は、その夜に彼を追いかけたドキュメンタリー番組が放送されるなど、いまやスポーツクライミングの象徴的な存在になっている。2位と6位という結果を踏まえて石松に、楢崎との距離感は変化したか訊ねた。

「まだ、ずいぶん前にいますけど、少し見えたかな。智亜の後ろ姿を見失わないように、今回の経験でつかんだものを大事にして、来年のBJCに向けてトレーニングを積んでいきます。日本男子はみんな強いので、油断してるとすぐ抜かれちゃうんで」

 BWC八王子で6位になった石松は、現時点で今シーズン残り3戦あるBWCに出場する予定はない。そのため彼が見据えているのは、来年のBJC2018だ。代表選考規定が今年と同様だった場合、石松は上位に入ればA代表として2018年シーズンにBWCに参戦ができるからだ。

 来シーズンこそ世界の先頭を走る楢崎と同じ土俵で勝負し、"晟"の字に込められた「明るく輝く」を具現化するために、石松の新たな戦いはすでに始まっている。

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