モンゴル勢力士の逆襲なるか。稀勢の里との対決では彼らにも拍手を (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 白鵬だけではない。同じ横綱の日馬富士(33歳・伊勢ケ浜部屋)、鶴竜(31歳・井筒部屋)もケガを抱えながら綱の責任を果たすべく優勝を目指す。さらに、春場所で稀勢の里と決定戦まで優勝を争った大関・照ノ富士(25歳・伊勢ケ浜部屋)も、悔しさを糧に2年ぶり2度目の賜杯へ挑む。

 夏場所は、稀勢の里にモンゴル勢が挑むという構図になるだろう。稀勢の里との相撲では、誰もが駆け引きなしの真っ向勝負を挑んでくるに違いない。そこで、あらためて考えなくてはいけないのが「土俵を見守るファンの姿勢」だ。

 春場所では、14日目に琴奨菊を変化で破った照ノ富士に、「観客から残念なヤジが飛んだ」と一部で報じられた。この問題は国会でも取り上げられ、文科省が相撲協会へ調査を指導する事態にまで発展。確かに、照ノ富士の相撲内容は、大関としては褒められたものではなかったが、古傷の左ヒザを痛めた状態で、勝負に徹するために悩んだ末の決断だったことは間違いない。

 琴奨菊が大関復帰への望みが絶たれる6敗目を喫したこともあり、これまで以上に大きなブーイングが起きたことは想像できるが、度が過ぎたヤジは決して看過できる問題ではない。夏場所前、照ノ富士は先場所について「もう終わったことです。終わったことは話しません」と言葉少なに漏らした。

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