ミックスダブルスで日本一。
カーリング界のカリスマが見せた格の違い (2ページ目)
その結果を受けて、青木は「即席で組んで勝てる競技ではない」と、大会直前にJCA(日本カーリング協会)による推薦出場が決まった強化委員会推薦ペアをけん制した。しかし、青木よりも20歳年上のベテランペアは、「(敗北は)まったく気にしていない」(阿部)「(ストーンを)置きたいところに置けば、結果はついてくる。それだけ」(小笠原)と、自分たちのパフォーマンスを上げることだけに専念。すぐに気持ちを切り替えて、先を見据えていた。
そして実際、阿部&小笠原ペアは、最終日に圧巻のプレーを披露。まずは準決勝で、同じく強化委員会推薦ペアの『チーム松村』(松村雄太&吉村紗也香ペア)を、終始高いパフォーマンスを発揮して退けた。
その勢いのまま、再戦となった青木&藤井ペアとの決勝でも、序盤から小笠原、阿部がともに好ショットを連発。「予選で(青木に)いいテイクを決められていたので、『難しいドローを強いるような形にしよう』と(小笠原と)話をしていて、それがうまくいったと思う」と阿部。してやったりのハウスマネジメントで、青木&藤井ペアを追い詰めた。
特に第2エンド、第3エンドとラストロック(後攻のチームが最後に投げるストーン)を持った青木には、いわゆる「投げさせられるショット」しか残されていなかった。その結果、青木のウェイトも決して悪くなかったものの、ドローを決め切れずに序盤からスティール(先攻のチームが得点を奪うこと)で失点を重ね、実績と経験で勝るベテランペアに屈した。
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