カーリング世界選手権出場を逃した「氷上のゴミ」。LS北見に今必要なもの (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 コーチボックスでフィフスとして試合を見守っていた本橋麻里は、「アンラッキーではあったけど......」と前置きしたうえで、「チームのミスです」と断言した。序盤の劣勢を跳ね返し、最終エンドでは優位な状況を作って放ったラストストーンだっただけに、あまりにももったいない"必然の不運"だった。

 本橋はLS北見を結成して以来、「挑戦者」という言葉を言い続けてきた。それは、日本選手権で優勝し、日本代表の地位に就いて、世界選手権で銀メダルを獲得する快挙を遂げた今でも変わらない。主将として、「若いチームなので、経験を積ませたい」「原点を忘れずに、楽しんでカーリングをしたい」という気持ちの表れでもあるだろう。

 今大会終了後も、本橋は「(これからも)挑戦者の意識で」とコメントした。チーム青森という当時日本屈指の恵まれた環境から離れて、現チームの立ち上げはまさにゼロからのスタートだった。当初はなかなか結果も出なかった。それでも、自身の道とチームのポテンシャルを信じ続けてきた彼女の、変わらぬ姿勢を表した言葉でもある。

 そんな本橋の姿勢、「挑戦者」としての心構えについて、何ら否定するつもりはないが、もはやLS北見は、新設チームでも、今後を期待される集団でもない。日本代表チームであり、世界でもトップクラスの強豪と認識されつつあるチームだ。

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