実は男子も強い。「超攻撃的カーリング」のSC軽井沢がアジア王者に (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「結局、ああいうショットは試合で使わないと決まるようにならない。だから、最初は決まらなかったです。そこで(結果も出せず)、周囲からいろいろと言われることもありました。でも、世界で勝てるカーリング、やっていて面白いカーリングを目指すなら、他に選択肢はなかった」

 その信念が実ったのは、今年4月の世界選手権(スイス・バーゼル)だった。SC軽井沢は予選リーグで、最終的に3位に輝いたアメリカ、ソチ五輪銀メダルのスコットランド(五輪ではイギリス代表として出場)などの強豪に競り勝った。そして、身上とする"攻めのカーリング"で日本男子カーリング史上最高位となる、4位入賞を果たしたのだ。

 それから半年が経って、彼らのカーリングはさらに成熟していた。

 PACC決勝の中国戦では、「相手のほうが(うちを)警戒していた」と長岡コーチが言う。実際に中国は、特に後半から終盤にかけて、石をハウス内にためるリスクを嫌い、シンプルでオープンなカーリングに終始した。

 それでも、SC軽井沢が慌てることはなかった。

「簡単なショットをミスしないように決めればよかった」

 そう清水が語ったように、それぞれが自らの仕事をシンプルかつ確実に遂行し、相手のミスを誘って勝利をたぐり寄せた。アジアを制し、両角友も確かな手応えを口にした。

「攻守のバランスの取り方、攻撃での引き際の見極め方がよくなった」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る