【カーリング】新生・北海道銀行「五輪メダル」仕様の強さ (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 そして、ミスが少なく、決めるべきところを決める、まさに"横綱相撲"とも言うべきゲーム運びで難なく予選を首位で突破。その隙のない強さを、対戦チームの選手たちも認めていた。

「とにかく、ひとりひとりのショットの精度が高い」(中部電力スキップ・藤澤五月)

「『ここでポイントが欲しい』というところで、質の高いショットを決めてくる」(LS北見スキップ・本橋麻里)

 決勝でも、本橋擁するLS北見相手に勝負強さを見せた。ゲーム後半から終盤にかけて連続スチール(先攻で得点すること)を記録するなど、1試合を通じて高い集中力を持続して連勝。一段とレベルアップした北海道銀行が、PACCの出場権を獲得した(同大会で2位までに入れば、来年3月に札幌で開催される世界選手権に出場できる)。

 その戦いぶりには、「国内ではもう敵なし」という声も聞こえたが、小笠原は「まだまだ、これから」と語る。そのうえで、「もっとショットがつながってくれば......」と、さらなる進化を見据えていた。

 とすれば、期待されるのは、4年後の平昌五輪。そこまでの道のりについてのイメージを聞くと、小笠原はこう語った。

「(ソチ五輪で5位となって)日本のチームとして、もっと上を狙える確信を持つことができた。今季は世界選手権が札幌であるので、まずはその舞台に立って、世界と戦えるチームであり続けたい。平昌五輪については、チーム結成時から『そこで勝つ』というのが目標だった。メンバーが代わっても、その思いは変わっていません」

 今大会の小笠原からは「集大成」という言葉が何度か聞かれ、平昌五輪への並々ならぬ決意が感じられた。平昌五輪まであと1200日余り。日本カーリング界のレジェンド、小笠原率いる北海道銀行がこれからどんな戦いを見せてくれるのか、見届けていきたい。

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