髙梨沙羅のライバルになれるか。ソチ五輪は伊藤有希の活躍にも注目。 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AFLO SPORT

 その後は年始のロシア・チャイコフスキー大会を欠場し、年末年始は国内で調整。「助走路の角度が緩やかになるRの部分で重力に押されて尻が下がってしまうことで踏み切りのタイミングが遅れるので、そうならないように滑り出しからいいポジションに乗ってそのままキープ出来るように修正した」と言う。助走でいいポジションに乗れていれば、踏み切りでもジャンプ台にしっかりと力を伝えて立ち上がれるようになり、タイミングの遅れも改善される。その効果が先日の札幌大会ででたのだ。

 さらに翌週の蔵王大会では、1本勝負となったが初日は強い向かい風を受けて96・5mを飛んで高梨に次ぐ2位になり、W杯初表彰台に上がった。そして翌日も7位に入り、W杯総合順位も一気に6位にまであげた。

 葛西は「有希を世界一にする自信がある」と言い、92年アルベールビル五輪の頃からジャンプのデータをとって日本チームの強化に協力してきた北星学園大学の佐々木敏教授も伊藤を、「身体能力的には高梨を超えられる素質を持っている」と高く評価している。

 W杯表彰台も経験した伊藤がソチ五輪を経験して、どんな大人のジャンパーに成長していくのか。日本チームが高梨沙羅頼りにならないためにも、彼女の成長は重要だ。

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