ソチでお家芸復活!?竹内択を中心に男子ジャンプ陣が上昇中

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 12月7日にノルウェー・リレハンメルで行なわれたW杯ジャンプノーマルヒル個人。1本目に99mを飛んで2位につけていた竹内拓は、2本目も1本目とほぼ同じの追い風の中で100.5mを飛んでトップに立った。
 
試合後、笑顔をみせた竹内択(左)と葛西紀明(右)試合後、笑顔をみせた竹内択(左)と葛西紀明(右) 残るは上位の選手でただひとり、1本目に向かい風の条件をもらって、105.5mの大ジャンプをしたグレゴール・シュリーレンツァウワー(オーストリア)のみ。2本目を追い風が強くなる中で飛んだ彼は100mの手前に着地し、竹内の逆転優勝かに思えた。飛距離は97m。1本目で8.3点あった差は5点までしか縮まらず、竹内の今季W杯2回目の2位が確定した。

「条件の差もそこまでなかったし、自分の調子も良くていいジャンプができるとわかっていたから、『もしかしたら勝てるかな』と思っていて......悔しいですね。でも、今のジャンプを続けていけばいつかは勝てるとも思うし。だから今日は2位で十分です」と、竹内は落ち着いた表情で話した。

 彼のパーソナルコーチでもある日本チームの横川朝治ヘッドコーチは、「バランスを整えるトレーニングをずっとやってきた成果もあり、助走ですごくいいポジションに乗っていて立ち上がりが柔らかい。それはジャンプ台をしっかり踏んで、いいポジションで力を伝えられている証拠」と評価する。

 中学卒業後に単身フィンランドに留学した竹内は、06年に帰国すると、ナショナルチームに召集されてサマーGPやコンチネンタル杯を経験。その後06~07年シーズン終盤からW杯に本格参戦した。本人も「ジワリジワリですね」と笑うように徐々に力をつけてきたが、欠点は闘争心が過剰になり過ぎて、ここぞという時に力んでしまう癖だった。

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