【月刊・白鵬】優勝「25回」という数字にこだわってきたワケ (3ページ目)

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

 互いに力の入った、まさに大相撲だったと思います。取り組みは、私が何とか勝ちましたが、「稀勢の里は着実に力をつけてきているな」というのが、率直な感想でした。

 ただ、残念だったのは、千秋楽で稀勢の里が琴奨菊に敗れてしまったこと。稀勢の里には最後の最後までがんばってほしかったですね。14日目の敗戦で気が抜けたわけではないのでしょうが、横綱を目指すうえで、13勝2敗にしてしまったのは、もったいないような気がしました。その詰めの甘さが、稀勢の里の今後の課題かもしれません。

 ともあれ、稀勢の里が奮闘していたからこそ、私もがんばれたように思います。14日目の全勝対決というのは、本当にやりがいがありました。千秋楽も久しぶりに充実した気持ちで迎えられましたし、次の名古屋場所でも、ぜひ稀勢の里にはがんばってもらいたいですね。それは、多くの相撲ファンが望んでいることだと思います。

 さて、場所後には1月に亡くなられた大鵬さんの国民栄誉賞を祝う会がありました。実は、私の尊敬する大鵬さんは、現役時代から献血運搬車『大鵬号』を全国各地に寄贈していたのです。この機会に、私がそれを受け継ぎ、慈善事業のお手伝いができればと思っています。同時に、東日本大震災の復興支援にも、これまで以上に力を注いでいきたいと考えています。

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