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【フィギュア四大陸・ペア】「りくりゅう」ペア、圧巻の完全優勝 見せた「5年間の成長の証」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha

【ペアスケーターとしての手応え】

「シーズンベストをしっかり更新でき、今シーズン初めて140点台を出せることができたので、すごくそこはよかったかなと思います。ただ、エンディングポーズの向きを間違ってしまったのが、すごく反省だなと思いました」(木原)

 2本のスロージャンプの着氷が少し乱れたが、大きなミスなく、見せ場となる最後のコレオシークエンスまでユニゾンをしっかりと見せたが、最後の最後でのお茶目な失敗に、木原は演技直後、がっくりと肩を落として苦笑いを浮かべるしかなかった。本来ならフィニッシュポーズはジャッジ席に向いてとるはずだったが、反対側に向けて決めポーズをとってしまい、ジャッジに背を向けてしまったのだ。

「フリープログラムのなかで力を入れて磨いてきた最後のコレオシークエンスについて、普段から『疲れているところでもしっかりパフォーマンスをしなさい』とメーガンコーチから言われていて、そのメーガンコーチが見ている前で、最後までしっかりやろうと最後のターンもいつも以上に回ったんですけど、速く回りすぎて、どっちを向いているか、わからなくなってしまったのが失敗の原因です。本来なら最後のポーズではジャッジの方たちと目が合うのに、なぜか(反対側の)メーガンコーチとブルーノコーチと目が合ってしまって、『あれ?これ反対だよな』と瞬時に思いました(苦笑)」(木原)

 シングルスケーターから転向した木原は、3人目のパートナーである三浦と組んでからペアスケーターとしての手応えをつかんだようだ。「ペア種目ならではの演技」を発揮できるようになってきたと言う。

「ペアスケーターになったと実感したのは、璃来ちゃんがいないと不安になるようになったことですね。以前はひとりで滑るほうが気が楽だったんですけど、いまは璃来ちゃんが横にいないと逆に不安になって、そばにいたら必ず落ち着いて滑ることができると感じられるようになった。絶対の信頼を璃来ちゃんに持っているので、そこが以前とは違います。昔は『ペアスケーターです』と名乗る自信はなかったんですけど、いまはもう『ペアスケーターです』とはっきり胸を張って言えるようになりました」

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