2021.12.02

北京五輪へ女子フィギュアのし烈な代表争い。紀平梨花、坂本花織ら有力選手の現状と課題

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 樋口は「トリプルアクセルは自信を持ってやれば大丈夫だと思っていました。回転不足にはなりましたが着氷できたので、すごく落ち着いて滑れた。今までで一番いい演技ができたので今は満足していますが、まだまだ改良できるし、全日本へ向けて課題が見つかった」と笑顔で話した。

 オーストリア大会のSPと、フランス杯のフリーを合計すれば、旧ルールの自己最高を3点以上上回る220.77点になる計算だ。今季のフリー『ライオンキング』は彼女らしさを存分に発揮できる曲調で、本人も「滑りやすい」というプログラム。フランス杯で自信を持てたことで、気持ちが入った練習ができるだろう。細かなところまで意識しながらブラッシュアップもできれば、さらに得点を伸ばし紀平や坂本を追撃する可能性がある。

 またスケートアメリカ7位、イタリア杯5位の宮原知子(木下グループ)は、イタリア杯では得点を209.57点まで上げてきている。課題になっているジャンプの回転不足さえ克服できれば演技構成点で高得点をとれるだけに、円熟した演技を武器にできる。

 続く若手では、河辺愛菜(木下アカデミー)がNHK杯では、SPでトリプルアクセルを入れた構成をほぼノーミスで滑って73.88点を獲得。フリーは冒頭のトリプルアクセルが2回転になって転倒するミスはあったが、そのあとはほとんどノーミスの滑りをして2位になる安定感を見せた。得点は205.44点だが、210点台中盤に乗せられる力はあるだろう。

 また、今季はトリプルアクセルに挑戦しSP、フリーともに基礎点が1.1倍になる演技後半ですべてを連続ジャンプにする構成で望んでいる松生理乃(中京大中京高)。右足首のケガがあってNHK杯、ロステレコム杯ともにトリプルアクセルは封印し、連続ジャンプも一部を前半に移す構成でそれぞれ6位、8位という結果にとどまっている。