羽生結弦、五輪連覇への道。苦難を乗り越えて築いていく「理想のスケート」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

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 診断の結果は右足関節外側靭帯損傷。NHK杯は欠場し、5連覇を目指したGPファイナル出場もなくなった。

 ケガは重傷だった。NHK杯については、痛み止めを打ってでも出ようと思ったというが、痛みどころか、足首が動かなくなっていた。実際に氷上練習ができるようになったのは2カ月後の1月に入ってから。トリプルアクセルを跳べるようになったのは1月下旬と、五輪出場さえ危うい状況だった。

 結局、平昌五輪は4カ月ぶりのぶっつけ本番の戦いとなった。会場のある江陵入りしたのは、SP4日前の2月11日だった。

 翌日に初練習を行なった。氷の感触を確かめるように滑り始め、1回転ジャンプで助走の入り方を確認すると、最後にトリプルアクセルを跳び、15分間の足慣らしで氷から上がった。

 この練習では体の軽さや動きのキレを感じさせ、13日の公式練習でも不安を払拭するような滑りを見せた。羽生は、サルコウ、フリップ、ルッツの3回転ジャンプを軽々と跳び、トリプルアクセルを2本決めた。さらに、4回転トーループと4回転サルコウを、軸の細い回転できれいに決めてみせた。曲かけ練習では新たな構成も披露した。後半に、4回転サルコウ+3回転トーループ、4回転トーループ+1回転ループ+3回転サルコウ、トリプルアクセル+2回転トーループを続ける。最後はチェンジフットコンビネーションスピンで締めた。

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