羽生結弦が五輪用に選んだショパン。世界最高得点の時との違いを分析 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直/Fantsy on Ice 2017●撮影

新SP使用曲『バラード第一番ト短調』に合わせ、華麗な滑りを披露新SP使用曲『バラード第一番ト短調』に合わせ、華麗な滑りを披露

 最高得点を出した時は、最初に4回転サルコウと4回転トーループ+3回転トーループを入れていたが、今回は最初に4回転ループを入れ、後半の最初にトリプルアクセル、次に4回転トーループ+3回転トーループを入れるなど、難度を高くした構成になっている。

 後半の連続ジャンプを、昨シーズンと同じ4回転サルコウ+3回転トーループにしなかったのは、その構成のSPでミスを続けていたこともあるだろうが、それ以上に4回転トーループへの自信があったからだ。

 2016-2017年シーズン最終戦となった世界国別対抗戦のフリーでは、後半の4回転に集中し、4回転サルコウ+3回転トーループと単発の4回転トーループで、それぞれGOE(出来ばえ点)で2.43点と2.71点の加点をもらっている。

 その演技後に羽生は、「前半で跳んだかのようなジャンプができていた。それは間違いなく、やっと自分らしいジャンプが(疲労のある)後半でも入れられるようになったといえます」と振り返った。

 また、同大会のフリーではトリプルアクセル+2回転トーループを跳んでから、4回転トーループからの3連続ジャンプも決めていた。GOE加点は0.23点減点となったが、それは最後の3回転サルコウの着氷が乱れたからで、「今まではトリプルアクセルにこだわっていましたが、手応えのある4回転トーループができているので、アクセルだけに絞っていく必要はないのかなと感じています」と話していた。

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