自然体の羽生結弦。NHK杯で「世界最高得点を出す準備はできています」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 11月24日午後のNHK杯公式練習。羽生結弦の4回転ループは不安定だった。

 練習最初のジャンプがループだったが、それがパンクして1回転になると、次もパンクで2回転に。3回目の挑戦で4回転を回ったが転倒してしまい、その後の挑戦もタイミングを取りきれていなかった。

 そこからは3回転ルッツと3回転フリップを跳び、トリプルアクセルを一度単発で跳んで成功。それからトリプルアクセルからの連続ジャンプと、3連続ジャンプも成功した。そして、4回転トーループ、4回転サルコウ+3回転トーループを跳んでリズムを作り、再度4回転ループに挑んで3回目にはきれいに決めた。

 フリーの曲かけでは、最初の4回転ループを決めると、次の4回転サルコウは力みがまったくない速い回転で、これ以上はないといえるほどの完璧なジャンプで着氷。さらにフライングキャメルスピンの後で少し間を置き、ステップから3回転フリップにつないだが、後半に入って4回転サルコウがパンクしてしまった。

 羽生はさすがに「アッ」という表情をしたが、そのまま演技を止めることなく4回転トーループに3回転トーループをつけて連続ジャンプにすると、トリプルアクセルからの連続ジャンプと3連続ジャンプまでつなげ、試合をしっかりと意識した練習を続けていた。

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