本田真凜、涙のSP5位からフリーではジュニア女子世界最高得点で急浮上 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by Noto Sunao、PHOTO KISHIMOTO

 だがSPでは、やる気とは裏腹に、気持ちが空回りしたようだ。予定していたフリップ+トーループの連続3回転ジャンプで、2つ目のジャンプを跳ぶことができずに大きく減点され、最後の3回転ループでも着地で詰まって得点が伸びなかった。SPはジャンプのミスで55.47、首位と10.19点差の5位と出遅れた。 

 SP後に涙を流した本田は、「すごくたくさん練習してきたつもりなのに、悔しい。たくさんのお客さんの前でいい演技をしたい気持ちが強くて、試合で落ち着けなかった。緊張もプレッシャーもなく、一番いい演技を見せられたらいいなと思いすぎて、自分に期待しすぎてしまった」と、気持ちの持っていき方がうまくできなかった反省を口にした。

本田真凛、フリーの演技本田真凛、フリーの演技 中1日空いたことで気持ちを切り替え、濱田美栄コーチからは「スケートが好きという気持ちだけを思いなさい」というアドバイスをもらったという。「気負わずにありのままの自分の演技を出すように心がけた」というフリーでは一転、ほぼノーミスでまとめることができた。

 フリーは好きな曲という『ロミオとジュリエット』。濃淡のピンクで配色された可憐なコスチュームで舞った。冒頭の3回転ルッツからフリップ+トーループの連続3回転ジャンプをはじめ、後半に予定していたダブルアクセル(2回転半ジャンプ)が1回転半ジャンプになった以外は、流れのあるキレのいいジャンプを見せた。まだ表現面は滑り込みが足りないようだが、ジャンプの出来栄えは見事だった。

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