浅田真央NHK杯4位発進。ファイナルへの課題は「ジャンプの波」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 5月に競技会復帰を発表してから6カ月で迎えたグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦NHK杯。シーズン初戦のジャパンオープン、GP第3戦の中国杯優勝と順調に結果を残してきた浅田真央には、今季3戦目にして少し息切れ感が出てきたのかもしれない。ショートプログラム(SP)は4位に終わった。

NHK杯ショートプログラムで4位になった浅田真央NHK杯ショートプログラムで4位になった浅田真央 ここまでの2戦は、1年間の休養から復帰したばかりで、精神的にも肉体的にもフレッシュさがあった。ただ、中国杯の時に佐藤信夫コーチが気にしていたのは、GP2戦目以降の戦いの中で、体力や精神力がどこまで保持できるかどうかだった。

 この日のSPでは、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が回転不足(アンダーローテーション)の上に転倒。後半に跳ぶ苦手な3ルッツは1回転になって無得点となった。3度のジャンプのうち、3フリップ+3ループの連続ジャンプだけが成功。技術点では基礎点からの加点がわずか1.20点だけの30.80点という低得点だった。プログラム全体の評価も及第点程度に留まり、ジャンプのキレが悪く、スケーティングスピードもなかったように見えた。浅田本人はその点を開口一番、自己分析した。

「今日のSPでは、自分のできる、プログラムに入っているエレメンツをしっかり決めることができなくてすごく残念です。

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