樋口新葉が連覇! 火花を散らすジュニア世代が浅田真央を追う (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 さらに今年のジュニアGP選考会では調子を崩して代表に入れなかった中学3年生の横井ゆは菜も、難度の高い3回転連続ジャンプは入れていないものの、ミスは最初の3回転ルッツのエッジエラーだけに抑える演技で117.24点を獲得。合計では新田谷を逆転して表彰台を確定させた。

 そして最終滑走となった白岩優奈も、SP終了時点で4.06点差と樋口を逆転できる可能性もあるプレッシャーの中、ミスは2つ目の3回転連続ジャンプ(サルコウ+ループ)のループの回転不足だけにとどめる堂々の演技で樋口に次ぐ121.39点を獲得。

「自分の前ですごい選手がたくさん滑っていたけど、自分のやってきたことを信じてこの試合を楽しもうと思った。目標にしていた2種類の3回転連続ジャンプは決められた。1つが回転不足になったのは悔しいけど、自分ができることは出し切れた」

 こう話す白岩は「ショートが1番滑走でフリーは最終滑走という珍しいことも経験できた」と笑みを浮かべたが、合計を184.16点にして樋口に次ぐ2位。中2での制覇は逃したが、ジュニアGP2連勝でファイナル進出を果たした実力の確かさは証明した。昨年のこの大会はSP27位でフリーに進めなかった。それ以来、スケーティングの重要性を意識し、キャシー・リードの指導のもと、コンパルソリーなどで滑りを改善してきた努力の積み重ねが、この大会でも活きたのだ。

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