羽生結弦が「今日の僕のステップどうでした?」と逆質問した心理
4月16日の国別対抗戦(※)。男子ショートプログラム(SP)の演技を終え、取材エリアに姿を見せた羽生結弦に、「今日の僕のステップ、どうでした?」と、いきなり逆に質問された。
※世界ランキング上位6カ国による団体戦。日本からは、羽生結弦、無良崇人、宮原知子、村上佳菜子、古賀亜美&フランシス ブードロ・オデ(ペア)、キャシー・リード&クリス・リード(アイスダンス)が出場。そのほかの出場国は、ロシア、アメリカ、カナダ、フランス、中国。今回は東京で開催。
「世界選手権の時、SPのステップがフワフワしていたことについて聞かれたので、僕もそれを少し気にしていたんです」
国別対抗戦のSPで華麗なステップを見せた羽生結弦 2週間前の世界選手権のSPでは、後半のステップシークエンスでいつものようなキレと粘りが見られず、軽めに滑っているように見えたため、こちらがそれについて聞いたことを覚えていたのだ。
羽生は、その質問を気にしていたという。そして、シーズン最後の試合となるこの大会のSPで、見事なステップを披露した。
「今回は、ほぼ自分でピークをつくりましたけど、ここまでいい感じでこられたと思います」
そう話す羽生は、深いエッジングの粘りのある滑りを見せ、世界選手権のフリーの演技のように、自らの滑りに集中していた。それに加えて圧倒されたのは、気迫を感じさせるジャンプだった。
「4回転トーループとトリプルアクセルは、今日の朝からちょっとだけ不安を感じていた」と話すが、出だしから徐々にスピードを上げた冒頭の4回転トーループは、今年初めて完璧に決めた。さらに、後半のトリプルアクセルも自信にあふれた完璧なジャンプだった。
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