浅田真央、ソチ五輪金メダルへの道を順調にスタート (3ページ目)

  • 辛仁夏●文text by Synn Yinha
  • 中西祐介/アフロスポーツ●写真 photo by Nakanishi Yusuke/AFLOSPORTS

 浅田が大技のトリプルアクセルと3+3回転の連続ジャンプを成功させて完成度の高いプログラムをミスなく「満足のいく演技」ができれば、結果は自ずとついてくるに違いない。勝負の行方は、一にも二にもすべてのジャンプが成功するかどうかに懸かってくる。最高の舞台で最高の演技をして、最高のメダルを手にする日を目標に掲げるシーズンに突入だ。

 一方の男子の五輪メダル争いは、やはり4回転を何本跳ぶかが勝負の行方を左右しそうな気配だ。

 ジャパンオープンでは失敗が目立った高橋大輔。冒頭の4回転トーループで回転不足の上に転倒し、トリプルアクセルも予定していた2本をきちんと跳べないなど、ジャンプで精彩を欠いた。極めつけは最後のスピンで無得点という散々の出来だった。

 高橋は「テクニカルのほうでミスが目立って残念でしたが、練習から良くなかったのでこの結果は素直に受け止めている。演技としては後半へばった部分はあったが、楽しくできたので、初披露のプログラムとしては幸先のいいスタートが切れてほっとした。GP初戦のスケートアメリカまで短い時間だが、体力と調子を上げていきたい」と、焦らずじっくりと取り組むつもりだ。

 高橋や小塚崇彦が4回転でミスを出したのとは反対に、男子で1位になったハビエル・フェルナンデス(スペイン)は安定感のある2種類の4回転を計3本、GOEで加点も得るなどほぼ完璧に成功させてきた。得意のジャンプでミスを最小限に抑えたことで、演技構成点も8点台半ばをそろえて、高橋の87.48点に次ぐ85.56点をマーク。オリンピックシーズンにしっかりと照準を合わせてきており、日本勢に強敵がまた一人、加わったのは間違いない。

 男女ともにソチ五輪へ向けた戦いが始まった。

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