2代目タイガーマスクが長州力との対戦前に、ジャイアント馬場から授かった「サソリ固め封じ」のまさかの結末 (2ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • 山内猛●撮影 photo by Yamauchi Takeshi

完全公開された「秘密特訓」

――ちなみに対抗戦の6試合は、サムソン冬木vs栗栖正伸、石川敬士vs小林邦昭、マイティ井上vsキラー・カーン、ジャンボ鶴田vsアニマル浜口、長州力vs2代目タイガーマスク、メインイベントが天龍源一郎vs谷津嘉章でしたね。

「いきなり1試合目に冬木vs栗栖という、まったくキャリアが違う選手同士の試合を組んだことも、今振り返ると不思議ですね。それで結果は、2勝2敗2分。思わず『ウソやろ!』と叫びたくなるくらいキッチリ割れた(笑)。ただ、そんななかで刺激的だったカードが、長州力vs2代目タイガーだったんです」

――2代目タイガーのデビューは、1984年8月26日に田園コロシアムで行なわれたラ・フィエラ戦。マスクをかぶったのは、メキシコに遠征中の三沢光晴さんでした。

「デビューからしばらくはジュニアでやっていたんですが、対抗戦が行なわれた頃はヘビー級に転向した時期で、ザ・グレート・カブキさんとの"同門マッチ"などもやってましたね。解説として試合を見ていた馬場さんも『ヘビー級でも可能性が見えますね』と評価を高めつつありました。そこで組まれた、ジャパンプロレスの大将である長州さんとの試合。ヘビー級としての真価が問われる試合でもあったわけです」

――2代目タイガーマスクにとって重要な試合でしたね。覚えているシーンなどはありますか?

「一番印象に残っているのは、試合そのものではないんです。どの新聞、専門誌の記事だったかは覚えてないんですけど、『タイガー、長州戦に備えて秘密特訓。ジャイアント馬場が直接指導』みたいな見出しの記事があったんですよ」

――「秘密」の特訓なのに、それが記事になっていたんですか?

「そうなんですよ(笑)。その記事の内容は『とうとう見つけたサソリ固め封じ』といった感じで、馬場さんが対策を伝授する様子が伝えられていました。写真まで載っていて、馬場さんが2代目タイガーに対して、サソリ固めをかけようとしている場面が写っていたんです」

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