2019.05.10

村田諒太の「価値」はいかほどか。
次戦勝利でゴロフキン戦の現実度

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

 2019年もそろそろ半ばに入り、世界ボクシング界でも屈指の層の厚さを誇るミドル級が大きく動き始めようとしている。

まずは現地時間5月4日、WBA、WBC世界ミドル級王者のサウル・”カネロ”・アルバレス(メキシコ)がラスベガスのリングに登場。今年上半期最大規模のファイトとなった統一戦で、カネロはIBF王者ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)に判定勝ちで3団体統一に成功した。

「自分は戦うためにここにいる。そのために生まれてきたんだ。自身のタイトルを守るために誰とでも戦うよ」

 この試合で3500万ドル(約38億円)の報酬を手にしたカネロはそう語り、今後もミドル級周辺の階級の強豪と戦い続ける意向を示した。現代最高の”ドル箱”として地位を確立したカネロへの挑戦権をめぐり、向こう数カ月の間にミドル級の主要ファイトが目白押しだ。

 6月8日にはカネロの宿敵とも呼べる元統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が、ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデン(MSG)に降り立ち、スティーブ・ロールズ(カナダ)との復帰戦に臨む。6月29日にはWBO王者デメトリアス・アンドレイド(アメリカ)がロードアイランドで、WBC暫定王者ジャモール・チャーロ(アメリカ)がテキサスで、それぞれ故郷凱旋防衛戦を行なう。そして7月12日には、WBA正規王者ロブ・ブラント(アメリカ)が日本に乗り込み、前王者・村田諒太(帝拳ジム)の挑戦を受ける。

4月25日に会見を行なった村田(左)とブラント(右) カネロという3団体統一王者がいるにも関わらず、他にもこれほどの”世界王者”がいることに違和感を覚えるファンもいるかもしれない。ただ、タイトルの乱発に疑問は感じても、ミドル級のタイトルホルダーはいずれも実力者ばかり。これらの強豪たちのいずれかが、今年の後半から来春にかけてカネロとのビッグマネー・ファイトに臨む公算が大きい。

 少なくとも現時点で、9月に予定されるカネロの次戦は、ゴロフキンとのラバーマッチ(同一選手同士の3試合目)になる可能性が高いと思われる。しかし関係者の話を聞く限り、カネロ本人は自身も消耗が避けられないゴロフキンとの第3戦よりも、WBO王座を持つアンドレイドとの4団体統一戦を希望しているようだ。