2018.11.23

実は金欠のパッキャオ、巨額報酬獲得へ
メイウェザーとの再戦を目指す

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)がアメリカのリングに帰還。そんなニュースを聞いて、ボクシングファンはどう感じただろうか。

 またファイトが見られることを喜んだのか、はたまた2016年4月に発表した引退を4カ月後に撤回し、間もなく40歳になる今でもリングに固執していると落胆を憶えたか。全盛期には誰からもリスペクトされるスーパースターだったが、現在は往年のファンにとっても見方が微妙な存在になっているに違いない。

「まだボクシングができることを証明したい。マニー・パッキャオはまだ現役だ。僕のキャリアと冒険は続いているんだ」 

 11月19日にニューヨークで開かれた会見でそう語ったパッキャオは、来年の1月19日に、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナのリングに登場することを発表した。

来年1月の防衛戦で戦うブローナー(右)と共に会見に臨んだパッキャオ(左) 今年7月に獲得したWBA世界ウェルター級王座の初防衛戦で、相手は元4階級王者のエイドリアン・ブローナー(アメリカ)。33勝24KO3敗(1無効試合)という戦績を誇る29歳は、誰が見てもわかるボクシングセンスの高さと特異なキャラクターから、台頭期に”ネクスト・メイウェザー”と期待された選手だ。

 ブローナーは結局、予想されたほどのスターにはなれなかったが、依然として業界内での知名度は高い。過去には、強盗および暴行容疑で指名手配される中でもリングに立った”問題児”と、世界的な”善玉”パッキャオの激突。アメリカ開催ということも含め、近年のパッキャオの試合としては最大級の注目を集めるはずだ。

 スーパーフェザー級からウェルター級までの4階級を制したブローナーだが、マルコス・マイダナ(アルゼンチン)、ショーン・ポーター(アメリカ)、ミゲル・アンヘル・ガルシア(アメリカ)といった一線級のボクサーには敗れている。つまり、パッキャオがこの試合に勝てば、60勝(39KO)7敗という戦績に恥じないトップレベルの力を残していることの証明になる。ブローナー戦は、12月に「不惑」を迎えるパッキャオの実力を測る”リトマス紙的なファイト”とも言えるだろう。

 ここまで読んで、不思議に思うファンもいるかもしれない。「40歳になろうとしているパッキャオは、なぜ戦い続けているのか」と。