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【男子バレー】西田有志が見せる「肉体管理」と「代表休養」の成果 ロス五輪出場へのカギを握る

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 西田有志(26歳)が、ロス五輪出場のカギを握っていることは間違いない。9月4日から福岡県で行なわれるアジア選手権で、オポジットとして攻撃を担う。優勝すればロス五輪出場権獲得だ。

 バレーボールネーションズリーグ(VNL)で、西田は史上初の13連勝に貢献した。宮浦健人との二枚刃で"刺客"となった。強打の印象だったが、軟打の技巧も上がって、敵の希望を砕いた。準決勝の強豪アメリカ戦はフルセットの末に惜しくも敗れたが、彼は2本のサービスエースを決めるなど、チーム最多の19得点を決めた。

 アジア選手権でも西田は猛威を振るうだろう。

ネーションズリーグで日本の13連勝に貢献した西田有志 photo by FIVBネーションズリーグで日本の13連勝に貢献した西田有志 photo by FIVB「Enthusiasm」

 現在のバレーボール日本代表監督で、2025年まで大阪ブルテオンを率いた指揮官ロラン・ティリは、西田を「熱意、やる気」と端的に評していた。生まれたてのような情熱こそ、西田の正体か。そのエモーションによって肉体を最大限まで動かせるのだ。

 西田は無名高校からトッププレーヤーへと一気に駆け上がっている。エモーションによって極限を越えてしまい、半年以上、体に不調をきたしたこともあった。2022年から23年にかけて、一時は高熱が続いて、血液検査で異常が出ることもあった。そのどん底から這い上がり、彼は新たな選手像を作ったのだ。

「あれは分岐点でしたね......。殻を割った、ひとつ皮がむけた感じはします」

 西田は昨年のインタビューで、そう明かしていた。

「OQT(パリ五輪最終予選)で復活し、シーズンに入ってもいいパフォーマンスを続けて......たぶん、自分のことを知ることができたんだと思います。たとえば体を使う前の状態が100%として、使った後に30%になって、ただのストレッチでは50%までしか戻らない。70%を戻すには、ウォーミングアップと一緒のことをして、ここは動く、ここは動かない、を確認し、じゃあ治療に入ろうかとか、自分を知ることが大事で。アップで始まり、アップで終わるのが自分の1日になりました」

 自らと、とことん対峙する。彼自身が、彼の肉体を管理し、対話し、操る感覚だろうか。だからこそ、昨年は代表シーズンを自己研鑽の時間に充てる決断をした。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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