木村沙織が世界バレーを展望 注目の18歳・秋本美空を「伸びしろしかない」と絶賛、「個人的に好きな選手」も明かす (3ページ目)
【頼もしい石川真佑と佐藤淑乃の存在】
ーー木村さんにとって下北沢成徳高校の後輩であるリベロの岩澤実育選手はネーションズリーグで拾いまくっていました。
正直に言うと、ネーションズリーグで初めて彼女の試合でのプレーを見たんですけど、岩澤選手はめちゃめちゃ拾いますね! 石川真佑選手と同じ高校なのもあるかもしれませんが、チームとの相性もよさそう。キャラクター的に明るいですし、またいいリベロが出てきたなって楽しみです。
どのポジションも競争は激しくなっていますが、リベロはとくにすごい争い。ネーションズリーグでは1試合ずつ替えられていて、そこで結果を残していかないといけない。すごくハードだと思いますが、これからの見どころです。
ーー最後に世界選手権の展望をお願いします。イタリア、ポーランド、ブラジルは好選手をそれぞれ擁し、かなり手ごわい印象です。そこで優勝へのキーマンになりそうな日本選手は?
みんな金メダルを目指して頑張っているでしょうし、それだけの力があるチームだと思います。なかでも、石川選手と佐藤淑乃選手のふたりは今までの代表のなかでも、打ちきって得点にする力を持っているので期待したいです。ふたりともサーブがいいので、サーブで得点を取りにいけるのは頼もしい。
今までは点差がついてしまうと、なかなか追いつけませんでしたが、石川選手、佐藤選手とサーブから得点できる選手がいるだけに、みんなで拾って頑張っていれば、それも不可能ではありません。その意味で、ふたりの存在は非常に大きいですね。ふたりが日本女子バレーのレベルを上げてくれているなと思います。そして彼女たちにパスを託せたら、きっと何とかしてくれるという希望も感じられて。そこは大会を通して期待したいです。
終わり
【profile】
木村沙織 きむら・さおり/1986年生まれ、東京都出身。2003年、アジア選手権で代表デビュー。2005年、東レアローズに入団。2012年ロンドン五輪で銅メダル獲得。2012年に世界最高峰リーグであるトルコの「ワクフバンク」に移籍し、ヨーロッパチャンピンズリーグ優勝を経験。2016年リオデジャネイロ五輪でキャプテンとしてチームを牽引した。2017年に引退。現在は、子育てとともにメディア出演などマルチに活躍する。夫は元バレーボール選手の日高裕次郎氏。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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