女子バレー・デンソー麻野七奈未が振り返る、高校時代の不遇とそこで得たもの「頭も体も成長できた」 (2ページ目)
【初めての優勝した実感】
――その一方で、シーズン途中にはケガで離脱する時期もあり、レギュラーラウンド後半やファイナルステージでは出場機会が限られました。
「年末の皇后杯でそれほど調子がよくなく、同じ時期に開放骨折に見舞われたんです。今年2月ごろに完治したのですが、私が離脱している間に起用された選手がそのまま継続してコートに入って、という具合で。その頃は複雑な気持ちでしたね。正直、モチベーションも下がっていました。でも、練習から頑張らないとコートに戻ることはかなわない。モヤモヤして、ずっと悩んでいました」
――どのように乗り越えたのですか?
「V Cupが始まってからも、当初は違う選手が起用されていました。ですが、KUROBE戦(3月9日)の途中交代で入ったときに、とてもパフォーマンスがよかったんです。それ以降は日ごろの練習からも調子がよく、最後までコートに立つことができました」
――となると、優勝したV Cupではご自身も気持ちが入っていた?
「はい。やっと試合に出られた、と言いますか、またコートに立てる喜びがありま。マルキーニョスさんからも『チャンスだぞ』と声をかけていただき、『このポジションを掴みとるんだ』という一心でした。それにチームも優勝を狙っていたので、そこに対する強い思いも自然とパフォーマンスにつながったと思います」
――金蘭会高校(大阪)時代にも全国制覇を目にしていますが、主力選手として貢献する優勝、はまた異なりましたか?
「V.LEAGUEに進んでからの優勝は、今回のV Cupが初めてでしたからね。高校1年生の時にも優勝は経験していますが、実際に自分が優勝したんだ、という実感はありませんでした。
デンソーに入団してから、亀山広コーチにボールを出してもらっての朝練や、苦手だったウエイトトレーニングにも取り組んできました。それらを思い返して、『サボらないで、続けてよかったなぁ』と感じた、初めての優勝タイトルでした」
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