現役大学生がVリーグ途中参戦で新人賞獲得。大塚達宣が語る、名門・パナソニックで得た「技術と自信」 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Mona

――試合後の記者会見では、サントリーの山村宏太監督が「試合後に大塚くんと(筑波大4年のエバデダン・)ラリーくんが目にいっぱい涙を溜めながら『ありがとうございました。楽しかったです』と挨拶にきてくれてすごく感動した」と話す場面がありました。

「表彰式が終わって帰る時にサントリーさんのベンチの前を通る時、そのまま素通りするのも嫌だったので。山村監督に『ありがとうございました』と言いました。ずっと監督が『若い選手が頑張っている』と言ってくれていることも聞いていまし、本当にうれしかったので」

――技術的なところで、リーグを通して向上したと感じるところは?

「大学では通用していたプレーでも、Vリーグでは力強さとスピードで負けてしまうことがありました。スパイクやサーブのスピード感、それに対応するためのサーブレシーブやディグなども学ぶことができましたね。点の取り方も含め、攻守の技術はVリーグや日本代表でも通用するくらいまで形になってきたように思います。チームに加わった1月頃と比べると、自信を持ってプレーできてる部分は増えました」

――それは例えば、ブロックがついた時のスパイクの打ち方、といったところもそうでしょうか。

「そうですね。大学だったらコースを抜くだけで決められていたはずのスパイクが、Vリーグではそこにレシーバー入って拾われることもあった。だからブロックを利用するなど、点の取り方の工夫に関しては考え方が変わりました。自分の中でアップデートされた部分があるので、今後につながると思います」

――それはティリ監督やコーチから学んだんでしょうか。

「ほかの選手を見て学ぶこともたくさんありましたが、ティリ監督を中心に、毎日細かいところまでずっと見てくれました。その上でアドバイスをもらい、実際にやってみて『こういうことか』と気づく、ということの繰り返しでした。本当に充実した日々でしたね」

(後編:「控えメンバー」として見た東京五輪>>)

※取材日:4月12日

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