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錦織圭の魅力を、杉山愛はテレビ番組でどう伝えたか 「具体的な局面やプレーを細かく解説するほうが喜んでくれた」 (2ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【語るべき物語がある錦織のテニス】

 そのように「日頃はテニスを見ない方たち」に対して錦織の魅力を伝える時、杉山さんはどのような点に留意していたのだろうか?

「実はみなさんが喜んでくださるのは、『このポイントの、ここがすごい』だったり、『この試合のなかでも、このプレーがキーになった』など、具体的な局面やプレーの解説でした。テニスはルールなども含めて難しい競技だと思うので、初めての人にとってはわかりづらい部分もあるし、伝えるほうとしても工夫が必要なこともあると思うんです。ただ、圭の場合はやりやすいんですよ。テニスそのものが魅力的なので。

『実はこのショットが、あとで生きてくるんです』とか、『この場面でこういうふうに高い軌道のボールを打って時間を作っているから、次にこのショットでポイントが取れるんです』といったように、けっこう細かく解説していました。

 ポイントを組み立てる際の展開の速さであったり、意表を突くショットセレクションであったり。ここで前に出てネットプレーにつなげるとか、ディフェンスからオフェンスへのめちゃくちゃ速い切り替えだとか。カウンターを打ってすぐに前に出ていくことで、相手の時間を奪う戦略性だとか。

 意外にスポーツ番組ではなくても、そういう点を細かく解説するほうが、魅力が伝わったと思います。最初はスコアの数え方も多くの方が知らないなか、少しずつ、少しずつみなさんの理解も深まっていた。それは圭が定期的に活躍し、取り上げる機会も多かったからだと思います」

 まるで将棋のように、先々の展開を読んで"歩を打つ"錦織のテニスには、伏線や布石など、語るべき物語がある。ワクワクの最大の要素は、錦織のプレーそのものにあった。

 同時に、錦織が次々に新たな扉を開き、「日本人男子選手・未踏の領域」へと駆け上がっていく軽やかな足取りにも、杉山さんは胸を高鳴らせていたという。

 その最たるものが、ATPファイナルズ出場。年間レース上位8名のみが出られるエリート大会は、船上のプレーヤーズパーティなども含め、華やかさでもほかの大会とは一線を画す。その豪奢さは、長いシーズンを通じて好成績を残すことがテニスの世界でいかに困難であり、評価されているかの証左でもある。

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