全豪16強で自信。大坂なおみ&新コーチ、グランドスラム制覇への道 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「試合中ポジティブでいることは、今まさに、私がメインに取り組んでいることです。今大会中も、それが自分の助けになっています。これからもっとよくなるように、取り組み続けていきたいと思います」

 今季からツアーに帯同しているサーシャ・バジンコーチからポジティブにいるようアドバイスされている大坂は、練習中の笑顔が増え、全豪3回戦では、自分のミスショットにさえ笑顔を見せる場面もあった。これは、昨シーズンまでの大坂とは明らかに異なる態度で、バジンコーチとの取り組みが、大坂のプレーに好影響を与え始めている。

「素晴らしい成績です。(3回戦の第18シード、アシュレイ・)バーティも(2回戦の第16シード、エレナ・)ベスニナも決して簡単な相手ではありませんでした。確実に向上しているし、4回戦進出は、なおみにふさわしい成績です」

 新しい教え子の成績を素直に喜んだバジンコーチは、昨年12月に大坂と出会って、すぐに彼女の性格を気に入り、素晴らしい才能にほれ込んだ。昨年まで、キャロライン・ウォズニアッキのヒッティングパートナーをしていたが、それ以前には、ビクトリア・アザレンカやセリーナ・ウイリアムズの練習相手も務めていた。経験豊富な彼だからこそ、大坂のポテンシャルについて感じることがある。

「かつて僕が一緒に練習した元世界1位のアザレンカやセリーナと比べても、彼女ほど強いストロークを打つ選手を見たことがありません。なおみは、彼女たちがいたレベルへ容易に到達できるはずです。世界1位とかトップ10とか明確な数字には言及しませんが、なおみがよくなっていくことを確信しています」

 今回の全豪で、大坂は6回目の挑戦にして初めてグランドスラム3回戦で勝利し、ついにひとつの壁を突破、グランドスラム初のベスト16進出を果たした。だが、今の大坂にとっては、そうした結果よりも大切にしていることがある。

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