全豪のシード権も射程に。杉田祐一の「上昇気流」はどこまで続くのか (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text by Ko Hitoshi photo by Osada Yohei/AFLO SPORT

 準々決勝で杉田は、アドリアン・マナリノ(31位、フランス)と対戦する。今季2人は対戦が多く、ATPマスターズ1000・モンテカルロ大会の予選2回戦(マナリノの勝利)、ATPアンタルヤ大会の決勝(杉田の勝利)、ウインブルドン2回戦(マナリノの勝利)に続いて4回目となる。

「また本当に(よく)当たるなという感じです。半年で4回というのはかなりの回数ですし、向こうもまたかと思っているでしょうね。お互いのプレースタイルもわかっていて、おもしろい試合になると思っています」(杉田)

 マナリノはベースライン付近で早いタイミングでも、ベースライン後方からでも打てるグランドストロークを持ち、いろんな弾道のボールを打ってくる。特に杉田は、マナリノのアングルをつけてくるバックハンドストロークを警戒する。自分と似たようなプレースタイルのマナリノに対して、「最初から自分のペースでいくことが一番大事になってくる」と杉田が語るように先手をとって試合の主導権を握れるかがキーポイントになりそうだ。

 最近の杉田は、自分に言い聞かせるかのように「ここが勝負どころ」が口癖になっている。まだまだ自分の今のテニスや成績に満足することなく、上を見据えているのだ。

「もちろんプレッシャーもあるんですけれど、今はそれをうまく力に変えられています。ここを乗り越えたら、もっと新しい自分ができるのではという楽しみな部分もある」

 ジャパンオープンの結果次第では、杉田が大きな目標にしている、2018年オーストラリアン(全豪)オープンでのシード権が射程圏内に入ってくる。今こそ、"純国産プロテニスプレーヤー"杉田祐一の矜持(きょうじ)をもって、ベストプレーを見せる時なのだ。

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