【ラグビー】リオ五輪を目指す女子セブンズ代表に「試練の時」

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 長尾亜紀●撮影 photo by Nagao Aki

香港女子セブンズで8位と苦戦した日本女子。鈴木彩香らを中心に強化が続く香港女子セブンズで8位と苦戦した日本女子。鈴木彩香らを中心に強化が続く 2016年リオデジャネイロ五輪に向け、強化が急ピッチで進む日本女子セブンズ。そのチームが今回、6月のワールドカップ(W杯)への一里塚となる、香港女子セブンズに出場した。

 摩天楼都市の香港。超高層ビルに囲まれた香港フットボールクラブのグラウンドである。戦い終えた日本女子セブンズが円陣を組んだ。浅見敬子ヘッドコーチの言葉が湿り気を含んだ熱風に乗る。 

「すごく悔しい。みんなも悔しいと思う。でもよくなっている部分はある。前に出よう。一回冷静に考えて、前に進んでいこう。まだ、これからだよ、これから」

 3月22日。日中の最高気温が30度だった。そんな中、1日で4試合も戦った。ケガ人が続出した。ボロボロになった選手たちは悔しさで顔をゆがめる。

 闘将の中村知春が続く。

「(世界のトップクラスと)差が縮まっているかもしれないけれど、勝たないと意味がない。敵は相手じゃない、自分だよ。もうひとまわり、強くなろう」

 世界の強豪と比べるとサイズと身体能力で劣るため、日本は運動量と瞬間スピード、リアクションで勝負する。典型が151cmのSH鈴木陽子と155cmのSO大黒田裕芽。「世界最強・最小のハーフ団」と自称するふたりがアタックでは速いリズムをつくる。

 日本は1次リーグC組で初戦の香港に24-5で快勝した。立ち上がり、風邪で体調不良の鈴木彩香や主将中村らが凄まじいタックルを繰り返した。攻めにもリズムがあった。

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