パスより走れ。今季スーパーボウル進出のカギを握る「怪物RB」たち (6ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 マカフリーの父親は、デンバー・ブロンコスなどで名ワイドレシーバー(WR)として活躍したエド・マカフリーである。その血を引いている影響か、レシーブ能力が非常に高くルート取りも正確で、オフェンスコーディネイター(オフェンス戦術責任者)にとっては相当に使い勝手のいい選手だろう。

 パンサーズのオフェンスのひとつに、マカフリーがスロットレシーバー(インサイドのレシーバー)の位置からパスレシーブを受ける戦術がある。この攻撃を受けたディフェンスは、スピードのあるマカフリーをラインバッカー(LB)では対応しきれず、守備バックがマッチアップせざるを得なくなるが、そうなると他のポジションでミスマッチやオープンスペースが生まれてしまう。これを見た現地メディアは、マカフリーに「マッチアップ・ナイトメア(マッチアップの悪夢)」という異名を授けた。

 ちなみにパンサーズで、ランの距離をもっとも稼いでいるのはRBではない。754ヤードを獲得したQBキャム・ニュートンだ。今季はシアトル・シーホークスのQBラッセル・ウィルソンもチーム1位のラン獲得距離(586ヤード)を記録したが、QBがチームトップのラッシャーとなった例は彼らで史上8例目でしかない。いずれにしても、QB(ニュートン)がランナーとして、そしてRB(マカフリー)がレシーバーとして脅威を与えるパンサーズは、相手ディフェンスにとって実にやっかいな存在だ。

 プレーオフは極寒の環境で行なわれるケースも多く、外のスタジアムでの試合ではQBやWRの指先が凍えてしまうためにパスゲームのリスクは高くなる。そのため、ランゲームでファーストダウンをいかに確実に更新するかが重要となるだろう。

 もちろん、総合的な実力がなければポストシーズンを勝ち抜くことはできないが、今季はランゲームの出来がプレーオフの結果を左右しそうだ。

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