なぜか無名の新人も登場。今年のNBAオールスターに世代交代の波 (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 今年のダンクコンテストに話を戻せば、まず注目すべきはアーロン・ゴードン(オーランド・マジック/PF)だろう。昨年のダンクコンテストでは準優勝に終わるも、マスコットを飛び越え、ボールを両足の下にくぐらせて叩き込んだダンクは、「ラビーンより上」ともささやかれていた。

 しかし、そんなゴードンの優勝に待ったをかけそうな、今はまだ無名のダンカーも出場する。フェニックス・サンズのルーキー、20歳のデリック・ジョーンズ・ジュニア(SF)だ。今季はDリーグ(※)での出場が多く、NBAでのプレータイムは現在7試合・合計23分でしかない。しかもNBAでは、まだダンクを1本も決めていない。

※Dリーグ=NBAデベロップメントリーグ。将来のNBA選手を育成する目的で作られたNBA後援のリーグの通称。

 だが、この男、もちろん人数合わせでコンテストに呼ばれたわけではない。高校時代から各地のダンクコンテストで優勝をかっさらい、ダンクマニアの間では「全米リーグナンバー1ダンカー」とも呼ばれていた逸材なのだ。201cm・86kgと細身ながら、ネバダ大学ラスベガス校時代には垂直跳びで116cmを記録し、ついたニックネームは「Airplane Mode」。垂直跳びの記録が120cmともいわれたマイケル・ジョーダンにはにわずかながら及ばないものの、1986年のダンク王に輝いたスパッド・ウェブ(当時アトランタ・ホークス)や前出のラビーンと同レベルだ。

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