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【F1】角田裕毅のこれまで見せたことのない姿 どのドライバーよりもタフなレースを戦った (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【リカルドに対しても多くを語らず】

 そのことは、角田自身もよくわかっている。

「今日はスタートでポジションを3つ落としたのが一番のポイントだった。その後はセーフティカーを待つことしかできませんでしたし、セーフティカーが出なかったのでどうすることもできませんでした。スタートでポジションを落としてしまった自分のせいですから」

 ピットストップ直後にダニエル・リカルドとのポジション交換がスムーズにいかず、引っかかるような形でタイムロスする場面もあった。しかし、これが彼のラストレースになるということもあり、ほかにも言いたいことはあったのだろうが、角田はぐっと飲み込んで「自分の責任かなと思います」というひと言で締めくくった。

 着替えたばかりのTシャツは、あっという間に全身が汗でびしょ濡れになっていた。

 エースドライバーとして、チームリーダーとして、自分の速さと強さでこのチームを引っ張っていかなければいけない。

 会見場をあとにする背中が、その自覚を物語っていた。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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