角田裕毅の得意技を可能にするアップデートに期待 シルバーストンの攻略法は? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【冗談を言えるほどリラックス】

「ほぼすべてのドライバーがシルバーストンは好きだと思いますし、もちろん僕もそうです。走っていて本当に楽しい昔ながらのサーキットで、すごくクールで大好きです。F2ではスプリントレースで優勝しましたし、フィーチャーレースでも表彰台を獲得したので、いい思い出もあります」

 シルバーストンという伝統のサーキット、F2時代に住み慣れた土地、そして待望のアップグレード。オーストリアGPではあれだけの苦渋を味わった角田だが、イギリスでは非常にリラックスしているように感じられた。

「いい気分ですね、以前はミルトンキーンズに住んでいたので、僕にとってはホームグランプリのような雰囲気です。チームとしても、ここからそう遠くないところにあるビスターには風洞と空力部門がありますし。

 イギリスのファンのみなさんはモータースポーツに対してすごく情熱的ですし、この雰囲気は本当に特別で、F1にとってとても重要なものだと思います。僕は今回イギリスに来てからまだフィッシュ&チップスを食べていないので、それを食べるのがまずは今週末のターゲットのひとつではありますね」

 そんな冗談を言えるくらいに吹っ切れている。再び角田が自分の実力をフルに引き出し、マシンの実力を十分以上に引き出して結果につなげるシーズン序盤戦の輝きを取り戻せるか。

 このイギリスGPがシーズンのターニングポイントになることを願いたい。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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